医療分業とは

医療分業とは、診療と調剤の業務を分けて行うことを指します。
医師は病院で診察と処方箋を作成することに専念し、薬剤師は調剤薬局で処方箋に基づいた調剤を行います。医療分業のメリットは医師と薬剤師の間でダブルチェックを行うことにより、医療ミスを抑えることができる点です。
薬剤師が調剤薬局で正しく処方することで、医師は病院での業務を軽減することができますので投薬ミスなどを未然に防ぐことができます。

現在では総合病院などではほとんど当たり前になりつつあるこのシステムですが、実は医療分業が広く浸透し始めたのはこの15年余りのことです。
ヨーロッパやアメリカではもともと医師と薬剤師は分業されていましたが、戦前から戦後、90年代前半までの日本では医師が調剤を行っていました。
病院などの医療機関は医薬品をメーカーから直接安く仕入れることができますので、薬を処方すればするほだけ病院に儲け(薬価差益)が生まれます。
日本の従来の医療機関と薬価差益の関係は非常に深く、そうした側面のために医療分業になかなか踏み切れませんでした。

現在のように医療分業が進むきっかけになったのは90年代後半のいわゆる「薬漬け医療」の問題がメディアで取り上げられるようになってからであり、当時の厚生労働省は薬価差益の引き下げを行い、94年に15.8%であった医薬分業率は06年に55.6%まで拡大します。

現在では日本全国の大学病院や総合病院のほとんどが調剤薬局に調剤を一任しており、開業医に関しても急速なスピードで医療分業が進んでいます。
それに伴い、全国的に医療ミスが減少しているだけでなく、薬剤師や調剤薬局事務などの職の需要が大幅に伸びています。